
青森の夏に、果実が増えたこと
昔、青森の果物といえば、りんごでした。
秋になると、赤く色づいたりんごが並び、
それがあまりにも当たり前で、
青森の景色の一部のようでした。
けれど今は、夏になると、
さくらんぼが赤く実り、
やわらかな桃が香り、
季節が進めば、梨も並ぶようになりました。
いつの間にか、
青森の果実の景色は、少しずつ変わっています。
昔は育たなかったものが育ち、
見慣れなかった果実が、
この土地の季節の中に馴染んでいく。
気候が変わった、と聞くと、
どこか不安なことのように感じます。
もちろん、
変わっていくことには、
戸惑いもあります。
けれど、変化の中には、
新しく生まれるものもあります。
今までなかった味。
今まで知らなかった季節。
この土地で、初めて出会う果実。
自然は、
同じように見えて、
ずっと同じではありません。
私たちも、きっと同じです。
昔好きだったものが、
今はそれほどでもなくなったり。
反対に、
若い頃にはわからなかったものを、
今になって好きになったり。
暮らし方も、
大切にしたいものも、
少しずつ変わっていきます。
それでいいのだと思います。
変わらないことだけが、
美しいわけではありません。
季節に合わせて、
枝を伸ばし、
花を咲かせ、
その年の実をつける。
自然のように、
私たちも、
今の自分に合う形へと
静かに変わっていけばいい。
今年の青森の夏にも、
いろいろな果実が実っています。
さくらんぼ。
桃。
そして、これから迎える梨やりんご。
ひとつひとつの果実に、
今の季節が宿っています。
昔にはなかったものを、
今、味わえること。
それもまた、
時代の中を生きる楽しみなのかもしれません。
変わっていく景色の中で、
今しかないものを、
きちんと味わう。
旬花柊萄は、
そんな季節の小さな変化も、
ひとつずつ見つめていたいと思います。
今日の青森に実ったものを、
今日の私たちへ。
変わることを、恐れずに。
今という季節を、
静かに、愉しみながら。
2026-07-07 14:53:03
食のこと
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